サッシには戸車と言われる部材が使用されています。この戸車はサッシを横に引く度にクルクルと車輪が回り、窓や引き戸を円滑にスライドする為に欠かせない部材です。本日はこの戸車に関して高さ調整方法と高さ調整をする事で解決できる3つのトラブルについての記事になります。”窓の動きが悪い””引き戸が重い”と感じたら戸車が経年劣化している可能性が高いです。また、直接的な動きに関するトラブル以外にも、【引き戸の鍵のかかり】【クレセント錠のかかり】【窓や引き戸の隙間】この3つのトラブルにも戸車が大きく関わっているケースがあります。
詳しくみて行きましょう。
戸車の高さ調整方法
戸車の高さ調整とは具体的にどの様な事を指すのかについて画像を見ながら解説して行きたいと思います。当社で行った戸車交換時の画像となりますのでご了承下さい。
まずは、古い取替の必要な戸車が上の戸車で、新しい戸車が下の戸車です。この2つの戸車を見比べて”高さ”の違いは分かりますでしょうか?この画像に印をつけたのが下の画像です。
印をつけると高さの違いが分かりやすいと思います。Aの古い戸車は、車の部分が本体よりも出ています(A戸車高さ)ので、サッシ全体が高くなっている状態です。
Bの戸車は戸車本体部分よりも車の部分(B戸車高さ)が出ていないのでAと比較すると戸車の高さは下がっている状態と言えます。
画像にオレンジで書かれた「A:戸車高さ調整ネジ」と「B:戸車高さ調整ネジ」に注目して下さい。Aの方が短いと思いませんか?
そうです。Aの調整ネジの方が本体内部により深く入っているのです。この状態はより高く上げている事を示しており、このネジをBの様に外に出すと戸車の高さは低くなって行きます。
戸車の高さ調整ネジはどこにある?
上記の事を踏まえ次の画像を確認して下さい。
先程のB(新しい戸車)をサッシに取付けました。画像の様な状態で取付します。オレンジの四角で囲った部分がまさに戸車高さ調整ネジになり、このネジを右方向に回すと戸車は高くなり、左方向に回すと戸車は低くなります。
実際に窓に建て込むと次の画像の状態です。戸車高さ調整ネジの位置を確認して下さい。
サッシの種類は多様です。全てのサッシがこの様な感じではありませんが、戸車の高さ調整ネジは概ねサッシのこの部分付近にあります。種類によっては穴が化粧カバー等で塞がれていますが、化粧カバーは簡単に取外し出来ます。プラスドライバーを挿し込み調整を行います。
サッシ戸車の高さ調整を行う事で解決するトラブルは、鍵のかかり、クレセント錠のかかり、窓の隙間改善です。引き続き説明をしていたきたと思います。
戸車の高さ調整で鍵のかかりを解決!
玄関や店舗入り口引戸の鍵がかかりにくい場合は戸車の高さ調整で解決する事があります。通常、引き戸の鍵がかかりにくくなった場合、錠の部分をアレコレ修理しようとします。もちろん、錠の部分に不具合があり、錠を修理しないと直らない事もあるのですが状況により、錠の修理や交換では対応出来ない事もあります。以前、当社で対応した現場では、鍵屋さんから「玄関引き戸の錠修理で訪問したが、錠ではなさそうです。おそらくサッシが倒れていると思いますので代わりに対応して下さい」この様な趣旨でご依頼がありました。鍵屋さんが仰るようにサッシの傾きで鍵のかかりが悪い場合は、いくら錠を触っても修理できません。
引き戸の鍵のかかりを高さ調整で解決できるのか、簡易的に見分ける方法
鍵のかかりが悪い時に、錠を修理するかサッシ戸車を修理するのか不明な時に簡易的ではありますが見分ける方法があります。
それは引き戸の縦框(縦部分)の上部を手で押した状態で鍵をロックします。この状態でスムーズに鍵がかかれば、引き戸が倒れているので鍵のかかりが悪くなっていると判断出来ます。この場合は戸車の高さ調整で修理を行えば直る可能性があります。
縦框の上部を押しても特に何の変化も無い場合は錠の不具合の可能性が高いです。戸車調整で修理できる可能性は低いと言えます。
戸車の高さ調整でクレセント錠のかかりを解決!
クレセント錠のかかりに関してもに、窓の傾きが影響しクレセント錠のかかりが悪くなっているケースがあります。この場合も縦框の上の方を押してクレセント錠を掛けてみましょう。スムーズに係るのであれば戸車の高さ調整で修理を行います。
かかりに変化が見られない時は、クレセント錠やクレセント受けの位置を微調整する事で修理を行います。
戸車の高さ調整で窓の隙間が改善!
最後に、窓に隙間が気になる場合も戸車調整が有効な時があります。窓の隙間は、経年劣化もしくは当初の調整不備で、戸に2個取付けてある戸車のバランスが狂っている時に発生するケースも多いです。片方が下がっているので一方に戸が倒れている状態です。低くなっている方の戸車を高く上げると2個のバランスが取れて隙間が改善されます。
もしご自身でチャレンジされるのであれば、あまり極端に上げたり下げしないように注意が必要です。既に説明した様に、戸車の高さは鍵のかかりにも影響を及ぼします。”微調整”を意識しながら少しずつ慎重に調整していきましょう。
まとめ
本日は、サッシ戸車の高さ調整をメインに記事を書きました。戸車の高さが狂う事により引き戸やサッシに色々と悪影響を及ぼします。戸車についての知識を深める事により、身近なサッシトラブルの解決にお役立て頂ければ幸いです。
この記事を書いた人
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。