トップピボットとはフロアヒンジと対になっている部品の事です。このトップピボットの外し方が分からない、または外れないので困っている。この様に方に向けた記事になります。言い方を変えれば業者さん向けの記事ですね。一般の方はトップピボットを外そうとはしないでしょうから。笑)
トップピボットを触るという事は扉の滑落、扉全体の動作や傾きに影響を及ぼす可能性がありますのでくれぐれも慎重に取り扱う様にして下さい
当記事では数点のトップピボット写真を掲載していますが、当社で施工した別々の現場写真となります。角度や作業工程で分かりやすいと思われるものを掲載していますので同一現場ではないです。
トップピボットとは
トップピボットについて外し方を確認されたい方に、「トップピボットとはなんぞや!」という事を敢えてお伝えする必要もないとも思いましたが、知識を深める為に当記事をご覧下さっているユーザーも念頭に基本的な部分から説明いたしますね。
トップピボットの位置
扉の上部で扉を支えている軸をトップピボットと言います。その真下にはフロアヒンジが設置されており、この2点で扉を支え、開閉の支点となっているのです。フロアヒンジは扉のスピード調整や一時ストップ機能を有していますが、トップピボットは回転軸と言う事以外の役割はありません。
トップピボットは何の為に外す?
回転軸としてだけの役割であるトップピボットですが、なんの為に外す必要があるのでしょうか?それは、フロアヒンジの交換の為です。
フロアヒンジを交換する為には扉を外す必要があります。そしてその扉を外す為にはトップピボットの軸を引っ込める必要があるのです。
上記の写真は扉を外して、新しいトップピボットを取付けた状態です。オレンジの四角で囲っている部分がトップピボットの軸(閂/かんぬき)部分となります。この軸が扉に挿入されているので扉は枠から滑落する事なく安定た動作を行います。
逆にこの軸を引っ込めないと扉を取り外す事が出来ません。
トップピボットの外し方
さて、フロアヒンジ交換に際してトップピボットの操作は必須です。まずは扉を開きます。扉が閉じた状態だとトップピボットは見れませんし操作も出来ません。脚立を持って来てトップピボットを外す作業を行って行きます。外すと言っても、トップピボット本体を外すのではなく、軸を引っ込めると言う趣旨です。
軸の部分を引っ込める為には上記写真オレンジの囲い部分(軸の上げ下げ作業部分)をマイナスドライバーで回します。この部分が出ているという事は、軸が引っ込んでいる事を表し、逆に、奥に入っている状態は軸が出ている事を表します。シーソーの様なイメージです。
写真では、軸の上げ下げ作業部分が突起していますので、軸は引っ込んでいます。
写真の様な状態にし扉を外します。
トップピボットも一緒に交換する必要がある時には、トップピボット本体も取り外す必要があります。
トップピボットの取り外し方は種類により多少の違いはありますが、概ねカバーを外すと本体が見えて来ます。本体は4本ないし6本程度のネジで固定されていますので全てを外せはポコっと一式取り外す事が出来ます。
緑が囲っている部分がトップピボットのカバー固定ネジです。
トップピボットの写真は異なりますが、ケースを外すと本体固定ネジが確認出来ますので、この部分のネジも外します。
トップピボットを取り外した状態です。部分は一式抜けますので、交換の必要があれば丸ごと一式交換可能です。
トップピボットが外れない場合はどうする?
トップピボットの軸を引っ込めないとフロアヒンジの交換が出来ない事はご理解頂いたと思います。
では、このトップピボットが外れない時、軸が回らない時はどうすれば良いのでしょうか?
え!?軸が動かない事なんてあるの!?と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、余裕であります。かなりあります。当社で対応する現場では3割以上はトップピボットが外れない現場のイメージです。
対処方法は大きく2つあります。
潤滑剤を活用、振動を与える
トップピボットが外れない原因の殆どは内部の金属部分が固着しているからです。可能性は薄いですが潤滑剤で固着が解消される事もあります。またトップピボットには固着して軸が動かなくなった時の為に振動を与える穴があいています。
殆どのトップピボットには意味不明の穴があいていますが、ここにドライバー等差し込み叩上げる事で固着の解消を試みる事も出来ます。潤滑剤と併用する事で固着を解消出来た事もあります。但し成功率は20~30%といった所です。
軸の切断
潤滑剤や打撃による解決方法よりも手っ取り早い方法があります。当社では、フロアヒンジの事前の現調時にトップピボットが外せるか事前確認をします。その結果外せないと判断した場合はトップピボットも部材を用意して工事を開始します。トップピボットが外せない事は分かっているので、軸を切断し、トップピボットを交換する事で対処するのです。
上記の写真は軸の部分を切断した写真です。電動工具を使用して切断しますので5~10分の作業です。
同等品が用意出来るのであれば切断した方が作業の進みは早いです。
まとめ
いかがでしたか?フロアヒンジ交換時にトップピボットが外れなくてお困りの方はトプピボットを切断すると言う対処法が最も効率的だと思います。以前は当社の施工でもどうにか軸を回す為に試行錯誤しましたが、トップピボットが外れない為にかなりの時間ロスに悩みました。切断する事を前提にすれば作業の進みもかなり早くなりますよ。参考にして頂ければ幸いです。
この記事を書いた人
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。