当社の電話受付センターに「玄関ドアがへっこんでしまったので、ドア本体だけ交換して欲しいのですが対応して頂けますか?枠は大丈夫なのでドア本体のみでいいと思います」
この様なお問合せが入りました。「玄関ドアがへっこんだとは、何か当たったのですか?」とお聞きすると。
「まだ、築3年ぐらいなのですが、子供たちが遊んでいて石か何かぶつけたみたいで、保険で修理できる様なのですが・・・そんなに急ぎではないですが、見た目が悪いので修理したいと思っています。」
この様な現場のご対応をさせて頂きました。今回は玄関ドア本体のみ交換できたのですが、現場によっては、玄関ドアのみの交換が出来ない事もあります。本日はこのあたりについて詳しく記事にいたしました。参考にどうぞ!
玄関ドアのみの交換が出来ないケース
玄関ドアのみの交換が出来ない事があります。その多くは、取付されてから歳月が経過する事により、ドアのみ交換の困難さが増して行きます。理由としては、ドア本体だけの入手が出来なくなるからです。「え?ドアって単体で取れないの?ネットでもドアが多数販売されているのに?」と思われるかもしれませんが、下記にその理由などを示しています。詳しく見ていきましょう。
玄関ドアは枠とセットで販売されている
そもそも玄関ドアはドア枠とセットで販売されています。そのため、バラ売り状態となるドア本体のみの販売は、新しくドアを設置してから間もない期間は可能ですが、設置から15年前後に差し掛かるとドア本体のみの供給が困難となって来るのです。メーカーの想定としては新築物件に新しく設置をする為のドアなので、枠とセットがマストと言うイメージです。ドア本体のみの販売は、ドアノブやドアクローザ、の様な部品提供に等しいカテゴリに分けられると思われます。
メーカーや型式が不明だと玄関ドアの特定が出来ない
メーカーや型式が不明な玄関ドアは、ドアのみの交換が出来ません。玄関ドアはメーカーや型式によって造りが根本的に異なります。その為、ドアのみを交換する場合、必ずメーカー及び品番の特定が必須となるのです。以前は玄関ドアを製作していたサッシメーカーも統合がかなり進みました。新日軽やトステムはLIXILとして引き続きサポートを受ける事になっています。立山アルミは三協アルミ社が吸収合併しました。この様に業界再編の影響もありメーカーや型式がはっきり確認できるという事がドアのみの交換を行う最低条件となっています。
輸入住宅の海外メーカーの場合
輸入住宅のお客様から玄関ドア修理のご依頼を頂く事がありますが、部品を入手するだけでもかなり大変です。玄関のドアノブ1つ交換するにも輸入住宅の海外メーカー仕様だと対応してくれるサッシ屋も限られて来ます。一方で、建築したハウスメーカーと連絡がとれる状況であれば、海外メーカーの代理店経由で玄関ドアのみの供給も出来るかもしれません。
玄関ドアのみの交換が可能なケース
玄関ドアのみの交換が全く出来ないという事ではありません。条件が揃えば、ドア本体だけの交換も可能です。続いては、玄関ドアのみの交換が可能なケースについて説明しています。
玄関ドアを設置して間がない
新築から数年であれば現行品としてドア本体のみの入手も可能です。サッシ屋が対応する仕事となりますので自宅近くのサッシ屋に依頼しましょう。サッシ屋の中には、LIXILやYkkap、三協アルミなどの代理店、フランチャイズ登録している業者も数多く存在します。特定のメーカーしか取り扱わない、または取り扱うが仕入れ掛け率が高いなど、得て不得手があります。ドア本体のみを取り寄せる時は他の部材は取付けられていない事が大半です。ドアノブやドアクローザは既存のものを再利用するか、新しいものが必要な場合はドア本体と別で注文する必要があります。
ドアのみを交換できるケースとして、新築から10年前後までの玄関ドアがおおよその対象となります。(厳密には商品の製造年から10年前後のイメージですが製造年は中々分からないと思いますので便宜上、新築からでお考え下さい。)
スチール製オーダードアの場合
マンションやビルで使用されている玄関ドアの中にはスチール製のオーダードアというケースもあります。一般的に普及しているサッシメーカー製ではない、スチール製の玄関ドアは、オーダー商品になっている事もあり、その場合は玄関ドアのみオーダーで製作する事も可能です。ただし、オーダー品で設計からとなりますのでコスト的にはかなり高額になると思われます。当社で対応した現場では、スチールドアの作製で25万円程度かかった現場があります。塗装込み、取付別です。
本当に玄関ドアのみの交換で良いのか?
「見た目が古くなった」「ドア本体の表面に傷がある」この様に美観に関する問題解決の為であれば玄関ドアのみの交換で上手く行きます。
一方で、お客様の中には、玄関ドアで起こる故障について本体ドアを交換すれば全て解決。この様にお考えの方もいらっしゃいます。ドアクローザや錠などの部品を交換するぐらいならドア本体を全部交換した方がお得なのでは?と思われる様です。しかし、本体ドアと周辺部材は別費用になるという事。また、故障に関しても、実際はドア枠が歪んでいたり、ドア本体ではないドア丁番等の周辺部品の不具合が故障の原因という事もあります。当社で対応した現場では、マンションの玄関ドアで床部分の金属が膨張してドア本体と擦っているトラブルもありました。玄関ドア周辺のトラブルに関しては、ドア本体を交換すれば”解決”と行かない事も往々にしてあります。
まとめ
本日は、玄関ドアの交換について、ドアのみの交換が出来るケースと出来ないケースについて説明しました。また、玄関ドアのみを交換する事でユーザー様の目的が達成できるのか?この点の見直し、確認についてもお伝えした記事となります。何かのお役に立てれば幸いです。
この記事を書いた人
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。