気密性や断熱性を高めやすいとして、アルミサッシを樹脂サッシに交換するリフォームが増えています。
しかし、大切な住まいに関わることなので、「本当に樹脂サッシにリフォームして大丈夫なのだろうか?」と不安になっている方も多いでしょう。
そこで今回は、樹脂サッシの特徴や耐久性、後悔しがちなポイントなどを解説します。納得できるリフォームを行うために、ぜひ最後までご覧ください。
窓店(マドミセ)は、山鹿市の窓リフォーム、内窓取付など対応しています。詳しくは専用ページをご確認ください。
樹脂サッシの特徴
樹脂サッシとは、窓枠(サッシ)に塩化ビニル樹脂を採用したものを指します。
塩化ビニル樹脂はプラスチックの一種であり、加熱することで形を簡単に変えることが可能です。この特性から、身近な物に広く用いられていることに加え、建設・土木業界での資材や、包装材料としても利用されています。
日本では、サッシといえば「アルミ」を採用している住宅が多いですが、全世界的に見ると樹脂サッシ方が高い普及率を誇ります。たとえば、韓国での普及率は80%、欧米では60%以上に達しています。一方、日本全体ではたった7%の普及率しかありません。
世界的にみると普及が進んでいないとはいえ、最近の住宅では採用されるケースが増えているほか、リフォームでの採用も増えています。
「樹脂サッシ」と「アルミサッシ」の違い
素材が異なる分、比較するポイントによって違いがあります。それぞれの違いは以下の通りです。
比較するポイント | 樹脂サッシ | アルミサッシ |
素材 | 塩化ビニル樹脂 | アルミニウム |
断熱性 | 高い | 低い |
結露 | 発生しにくい | 発生しやすい |
強度 | アルミニウムより低い | 高い |
施工性 | 重量がある | 軽くて扱いやすい |
コスト | 高い | 安い |
耐久性 | アルミニウムより低い | 高い |
デザイン・カラーバリエーション | 豊富 | 樹脂サッシに比べ少ない |
このように、素材が異なる分、何を比較するのかによって結果が異なります。樹脂サッシは価格が高いものの、断熱性が高く結露が発生しにくいことから、機能面に優れているといえます。
「冬場は家が寒くて困っている」
「冷暖房の効きが悪く、光熱費が高い」
などで悩んでいる場合は、樹脂サッシがおすすめです。
樹脂サッシのメリット・デメリット
日本は世界と比較して、樹脂サッシの採用率が高くないものの、最近では普及が進んでいます。
断熱性が高く、ヒートショックになるリスクを軽減できるなどの魅力から採用率が高まっている背景がありますが、必ずしもメリットだけではありません。そこで、どのようなメリット・デメリットがあるのか見ていきましょう。
樹脂サッシのメリット
まず、住宅の断熱性を高めやすいことがメリットとして挙げられます。
樹脂サッシの主材料となる塩化ビニル樹脂は、アルミの熱伝導率の約1000分の1しか熱を通さない特性を持っています。そのため、室内の温度が外部へ逃げることが少なく、また、外部の寒さ・暑さが室内へ伝わりにくい空間を実現可能です。サッシの熱伝導率を低くして、さらに複層・三層のガラスを組み合わせることで、断熱性に優れた窓になります。
また、断熱性に優れた空間を実現できることで、結露の発生も抑えられます。結露を抑制できることで、カビやダニの増加を防止することにもつながるため、複合的なメリットが得られるでしょう。
そのほか、樹脂サッシは遮音性が高く、外部の騒音が室内に伝わるのを防ぐメリットもあります。電車や車が通る音、雨の音、子どもの声などが室内に伝わりにくくなるいうえに、室内の音が外へ漏れるのも抑制できます。
樹脂サッシのデメリット
樹脂サッシは多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。
まず、費用面がデメリットとして挙げられるでしょう。たとえば、室内側に樹脂、屋外側にアルミを使用する「アルミ樹脂複合サッシ」はアルミサッシの約1.5倍の価格、「オール樹脂サッシ」は約2倍の価格が相場です。
性能に優れていることはわかっていても、家全体を樹脂サッシにするとなると、予算オーバーになりがちな点がデメリットといえます。
また、樹脂サッシは素材自体の強度がそれほど高くないため、強度を出すためにサッシを分厚くする必要があり、重量も増えます。そのため、窓の開閉が重くなりやすいことも懸念点でしょう。ただし、最近では、厚さを削減した樹脂サッシが市場に登場しており、開閉のしにくさ少しずつ軽減されてきています。
樹脂サッシで後悔しがちな事例
費用をかけて樹脂サッシにリフォームした方の中には、後悔している人がいるのも事実です。
では、どのような点が後悔につながりやすいのか見ていきましょう。
アルミサッシに比べると紫外線に弱い
樹脂サッシの材料である塩化ビニル樹脂は、紫外線にそれほど強くないため、太陽光にさらされ続けると色あせなどの劣化症状がみられることがあります。
そのため、南向きの窓や西日が強く当たる窓は、紫外線によって劣化しやすい点を考慮しておくようにしましょう。日差しが強いところで樹脂サッシを採用する場合は、色あせや劣化が目立ちにくい色のサッシを採用するなど工夫するのがおすすめです。
価格が高い
デメリットで解説した通り、樹脂サッシはアルミサッシに比べて導入コストが高くなるのが一般的です。
予算内に納めようとすると「リビング周辺しか樹脂サッシに変更できなかった」など、予定していた範囲をリフォームできないケースも少なくありません。また、予算を超えて採用しても、住まい自体の断熱性や気密性によっては期待するほど効果を感じられない可能性もあり、費用対効果に注目して慎重に採用を検討することが大切です。
厚みで強度を出すため、開閉が重い
樹脂サッシは、素材自体の強度がそれほど高くないため、強度を確保するために厚みを持たせて設計されるのが一般的です。
製造技術の向上により最近では改善されつつあるものの、リビングなどの大開口ではとくに重量が増え、スムーズに開閉できなくなることもあるので注意しましょう。
まとめ
今回は樹脂サッシの特徴やメリット・デメリット、後悔しがちなポイントなどを解説しました。
断熱性が高く、結露が発生しにくい住空間を実現しやすい樹脂サッシは、高性能なサッシとして認識されており、アルミサッシからリフォームするケースが増えています。しかし、価格が高いことや、窓の開閉が重くなりやすいなどの注意点もあるため、慎重に検討してうえで採用しましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、納得できる窓リフォームを検討してみてください。
>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。