「最近の新築は、門扉がない『オープン外構』が主流ですよ」
「あえて扉をつけないほうが、広々としておしゃれです」
ハウスメーカーや工務店との打ち合わせで、こんな説明を受けたことはありませんか? 確かに、敷地の入り口に扉を設けないオープン外構は、コストが安く済み、開放的なデザインになるため人気があります。
しかし、サッシ業者で自宅の建築経験もある筆者は、あえて苦言を呈します。 安易に「門扉なし」を選んで、住み始めてから「やっぱりつければよかった」と後悔する方は絶対にいます。
セールスマンが玄関ドアの前まで入ってくる恐怖 子供が道路へ飛び出しそうになるヒヤリハット
これらは、門扉一枚あれば防げる問題です。 この記事では、あえて時代に逆行して「門扉(もんぴ)」をつける意味と、設置して後悔する人・しない人の決定的な違いについて、忖度なしで解説します。
熊本県のサッシ屋です。エクステリア・門扉工事もお気軽にご相談ください!出張見積り無料。
そもそも「門扉(もんぴ)」と「門柱」の違い、分かっていますか?

本題に入る前に、よく混同される言葉を整理しておきましょう。ここを間違えると、外構計画全体がズレてしまいます。
門柱(もんちゅう・ファンクションユニット)
これは、玄関先にある「柱」や「壁」のことです。 表札、ポスト、インターホンが組み込まれている設備で、オープン外構であっても、これだけは必ず設置します。
門扉(もんぴ・ゲート)
今回解説するのはこちらです。 道路と敷地の境界線に設置する「扉(ドア)」のことです。 これがある家を「クローズ外構(またはセミクローズ)」、ない家を「オープン外構」と呼びます。
最近は「門柱はあるけど、門扉はない」という家が増えていますが、本当にそれでいいのか?という視点で読み進めてください。
あえて「門扉」をつける3つの強烈なメリット

数十万円の追加費用を払ってまで、門扉をつける価値はあるのか。 結論から言えば、「家族の安心」をお金で買いたいなら、これ以上の投資はありません。具体的なメリットは以下の3つです。
①【最強の防犯】「敷地に入らせない」心理的結界
門扉がない家の場合、郵便配達員も、ウーバーイーツも、飛び込み営業のセールスマンも、誰でも「玄関ドアの目の前」まで入ってこれます。 リビングでくつろいでいる時、玄関のすぐ外に知らない人が立っている気配を感じるのは、想像以上にストレスです。
門扉があれば、彼らを「道路際」で足止めできます。 物理的な壁はもちろんですが、「ここから先は私有地です」という心理的な結界(バリア)として機能するため、悪質な訪問販売や、敷地内をショートカットしようとする不審者をシャットアウトできます。 インターホン越しに対応し、「結構です」と断れば、玄関ドアを開けることなく対応が終了する。この安心感は絶大です。
②【子供とペット】「飛び出し事故」を物理的に防ぐ
小さなお子様やペットがいるご家庭にとって、門扉は「命綱」です。
玄関ドアを開けた瞬間、子供が興奮して道路へダッシュする。 ボール遊びをしていて、転がったボールを追いかけて道路に出る。
門扉がなければ、玄関から道路までは数秒です。しかし、門扉というワンクッションがあれば、そこで必ず一旦停止します。 「子供から目を離さなければいい」というのは理想論です。物理的なガードで事故の確率を減らせるのが、門扉の最大の機能的メリットです。
③【置き配】盗難リスクの軽減
最近増えている「置き配」ですが、オープン外構の玄関前にダンボールが置いてあると、道路から丸見えの状態になり、盗難のリスクが高まります。 門扉があれば、荷物を門扉の内側に置いてもらうことで、道路からの視線を遮り、簡単に持ち去られるのを防ぐ効果があります。
設置して後悔する「3大デメリット」とプロの解決策

メリットがいかに大きくても、毎日の生活でストレスを感じてしまっては意味がありません。
門扉を設置して「失敗した!」と後悔する人の理由は、以下の3つに集約されます。
しかし、これらは最新の製品選びで解決可能です。
①【面倒】雨の日、荷物が多い日の開け閉めが地獄
これが門扉最大のデメリットです。
雨の日に傘をさし、両手に買い物袋を持ち、子供の手を引いている状況を想像してください。
一度荷物を地面に置き、鍵を探してガチャガチャと開け、中に入ってまた閉める。これは確かに苦行です。
この「面倒くささ」に耐えられず、結局いつも開けっ放し(=ただの飾り)になってしまうご家庭も少なくありません。
プロの解決策:電気錠(タッチキー)を選べば解決
この問題を根底から解決するのが、LIXILやYKK APなどの主要メーカーが出している「電気錠付き門扉」です。
カバンやポケットにリモコンキーを入れておけば、門扉のボタンを押すだけで「カチャッ」と解錠します。
車のキーレスエントリーと同じ感覚です。これなら、雨の日でも荷物を持っていても、ノーストレスで通過できます。手動錠との差額はありますが、後悔したくないなら必須の機能です。
②【狭さ】車や自転車の出し入れが困難になる
敷地が狭い場合、門扉の開き代(ドアが動くスペース)が邪魔になることがあります。
「自転車を出し入れするたびに、門扉が自転車の前輪に当たる」
「車を駐車する時、門扉の柱が邪魔でぶつけそうになる」
これでは生活の質が下がってしまいます。
プロの解決策:「スライド式(引き戸)」を採用する
門扉=開き戸(ドア)と思っていませんか?
狭い敷地におすすめなのが、横にスライドして開く「引き戸タイプ」や、蛇腹状に畳める「アコーディオン門扉」です。
これなら手前にスペースを必要としないため、自転車の出し入れもスムーズで、デッドスペースを極限まで減らすことができます。
③【費用】外構予算が30〜50万円アップする
門扉本体、柱、そして工事費を含めると、安くても15万円、電気錠などの良いものを選べば30〜50万円ほどの追加費用がかかります。
新築時は何かとお金がかかるため、「ここで節約したい」と削られがちな部分です。
プロの解決策:メリハリ予算で賢く導入
全てを豪華にする必要はありません。
例えば、正面の門扉だけはしっかりしたものを入れ、隣家との境界フェンスは安価なメッシュフェンスにするなど、予算にメリハリをつけることが重要です。
「家族の安全を守る設備」として、30万円が本当に高いかどうか、長い目で判断してみてください。
【比較表】オープン外構 vs クローズ外構(門扉あり)

結局、どちらが自分に合っているのか?
一目でわかるように、それぞれの特徴を比較しました。
| 比較項目 | オープン外構(門扉なし) | クローズ外構(門扉あり) |
| 初期費用 | 安い(0円〜) | 高い(15万円〜) |
| 防犯性 | 低い(誰でも玄関前まで侵入可) | 高い(道路際でシャットアウト) |
| 開放感 | ある(広々感じる) | 少し減る(囲われた安心感) |
| 利便性 | そのまま通れるので楽 | 開閉の手間がある(電気錠で改善可) |
| 飛び出し | リスク大(すぐ道路) | リスク小(ワンクッションあり) |
| セールス対応 | インターホンを押されやすい | 門前払いしやすい |
サッシ屋が教える「失敗しない門扉」の選び方
最後に、カタログを見ても書かれていない、プロならではの選び方のコツを2つ伝授します。
1. 玄関ドアと「鍵」を連動させる
これが今のトレンドであり、正解です。
「門扉の鍵」と「玄関ドアの鍵」が別々だと、ジャラジャラと2つの鍵を持ち歩くことになり、非常に不便です。
同じメーカー(例:門扉も玄関もLIXILにする等)で揃えれば、1つのリモコンキー(またはスマホ)で、門扉も玄関も両方開けられる「同一キーシステム」が組めます。
これから設置するなら、絶対にこのシステムに対応した組み合わせを選んでください。利便性が天と地ほど変わります。
2. デザインは「透け感」が重要
防犯のためにと、中が全く見えない「完全目隠しタイプ」の門扉を選ぶ方がいますが、これは逆効果になることがあります。
一度乗り越えられてしまった場合、泥棒にとって「外から見えない格好の隠れ場所」になってしまうからです。
防犯性を高めるなら、適度なスリット(隙間)が入っていて、中の様子がうっすら分かる「透け感のあるデザイン」を選びましょう。
これなら、閉塞感も減り、防犯効果も高まります。
まとめ:門扉は「家の格」と「安心」を買う設備
門扉は、決して「なくていいもの」ではありません。
確かにコストはかかりますし、手動なら手間も増えます。
しかし、
見知らぬ人が敷地に入ってこない静寂
子供が飛び出さない安心感
家の顔としての重厚感
これらは、門扉を設置した人だけが得られる特権です。
「オープン外構にして後悔した」という話はよく聞きますが、「便利な電気錠門扉をつけて後悔した」という話は、ほとんど聞きません。
予算との兼ね合いはあると思いますが、家族の安全を守る「最初の砦」として、ぜひ門扉の設置を前向きに検討してみてください。

>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。
