住宅展示場やカタログでよく見る、おしゃれでスタイリッシュな「縦すべり出し窓」。 外観が洗練されるだけでなく、「ウインドキャッチ効果で風通しが良い」とおすすめされて、新築の設計で多く採用される人気の窓です。
しかし、実際に住み始めてから「こんなはずじゃなかった…」と後悔する方がいらっしゃるのも事実です。 窓やドアの専門業者として、カタログだけでは見落としがちな「リアルなデメリット」と、失敗しないための設置のポイントを解説します。
縦すべり出し窓で後悔したくないとお考えの方は最後までご覧ください。
縦すべり出し窓の「理想と現実」
縦すべり出し窓とは、ドアのように室外側に向かって押し開けるタイプの縦長の窓です。多くの方が抱く理想と、住んでから直面する現実には、少しギャップが存在します。
【理想】 外観がカフェみたいにおしゃれ。開いたガラス面が風を受けるため、一般的な引き違い窓よりも風を部屋に取り込みやすく快適。
【現実】 風通しは確かに良いが、虫が部屋に入りやすい環境になりがち。外出中の急な雨で、部屋の中に雨水が吹き込んでしまうことも…。
なぜこのようなギャップが生まれるのでしょうか。それは、縦すべり出し窓の「網戸が室内側にあること」と「ガラスが外側に飛び出すこと」という、構造上の避けられない特徴が関係しているのです。
住んでから気づく「3つの大後悔」と現場のリアル

ここからは、縦すべり出し窓を採用したお客様からよくお聞きする、リアルな後悔トップ3を現場の視点で解説します。
後悔1位「窓を閉める時に虫が部屋に入ってくる」
縦すべり出し窓におけるよくある後悔が、この「虫問題」です。 一般的な引き違い窓は外側に網戸がありますが、縦すべり出し窓は窓を外に押し出すため、網戸は「部屋の内側」に設置されます。
夕方になって窓を閉めようとした時、光に引き寄せられた小虫が室内側の網戸に張り付いていることがあります。窓のハンドルを引くためには一度網戸を開ける必要があり、その隙に虫が部屋の中へ入り込んでしまうことがあるのです。周辺の環境や季節によっては、虫が苦手な方にとってかなりストレスになるポイントです。
後悔2位「外出中の急な雨で、部屋の中が濡れてしまう」
風を通すために窓を開けたまま外出してしまい、急な雨に見舞われた時の被害も気をつけたいポイントです。
引き違い窓であれば、窓枠や上のひさしが多少の雨を防いでくれます。しかし、縦すべり出し窓はドアのように開いているため、風向きや開口角度によっては室内に雨水が吹き込みやすくなります。帰宅したら窓際のフローリングが濡れていた、と後悔するケースは少なくありません。
後悔3位「2階に設置したら、外側のガラスが掃除しにくい」
掃除のしにくさも、住んでから気づく盲点です。 1階であれば家の外に回って拭くことができますが、2階に設置した場合、室内から身を乗り出して外側のガラスを拭くのは危険です。
近年の製品には、掃除がしやすいようにガラスの隙間が大きく開く機構(クリアランス機能)がついているものも増えました。しかし、そういった機能がないタイプを選んでしまうと、足場がない限り外側のガラスを綺麗にするのが極めて困難になってしまいます。
【設計中の方へ】後悔を減らすプロの「設置ルール」

これから家を建てる方へ。縦すべり出し窓の失敗を防ぐための、私たちからの提案です。適材適所で使い分けるのが鉄則です。
開けっ放しにする部屋(寝室など)は要注意
夏の夜など、窓を開けたまま寝たい部屋に採用する場合は注意が必要です。急な雨が降った時や、軒(ひさし)が短い間取りの場合、雨水が吹き込みやすくなります。寝室などは、少しの雨なら入りにくい「横すべり出し窓」や「引き違い窓」とバランスよく組み合わせるのが安全です。
オペレーターハンドル(くるくる回す取っ手)を選ぶ
ここが一番重要です。窓の開け閉めには、押し引く「カムラッチハンドル」と、くるくる回す「オペレーターハンドル」があります。 虫の侵入リスクを減らすなら、オペレーターハンドルがおすすめです。これなら、室内側の網戸を閉めたまま窓の開閉ができるため、虫が入り込む隙を大幅に低減できます。
Q&A|縦すべり出し窓にある疑問と答え
ネット上にある縦すべり出し窓の疑問について、現場の人間としてお答えします。
疑問1:引き違い窓より気密性が高いから冬は暖かい?
答え:たしかに、パッキンで圧着する構造のため引き違い窓よりも高気密になる傾向があります。しかし、冬場に窓ガラスが結露した際、網戸が室内側にあるためサッと拭き取りにくく、こまめにお手入れをしないとカビの原因になりやすいというお手入れ面の注意点があります。
疑問2:防犯性が高いから1階でも安心?
答え:人が物理的に通れない幅の細いスリット窓であれば非常に安全です。しかし、一般的な幅の窓の場合は絶対に安全とは言い切れません。1階への設置は、防犯ガラスや面格子とのセットを推奨します。
まとめ:メリット・デメリットを理解して適材適所の窓選びを
縦すべり出し窓は、デザイン性と風通しに優れた素晴らしい窓ですが、虫や雨、掃除のしにくさといった注意点も存在します。 オペレーターハンドルを選んだり、設置場所を工夫したりすることで、デメリットを大きく軽減することができます。
デザインやコストも大切ですが10年、20年と使用する窓なので特徴を理解した上で適切な窓を選らびましょう!

>この記事の担当者(執筆/監修)<
株式会社スマイクリエイト代表取締役/1972年5月 福岡県生まれ
・賃貸不動産経営管理士<登録番号(1)057435>
・三協アルミ(一新助家)加盟店
20代の頃は、水道メンテナンス業務を約6年経験、2003年(31歳)に老舗サッシ屋に入社。ガラス・サッシ・ドアの修理リフォーム業務に従事。その間、アパート2棟を新築、建築から修理まで住宅について様々な体験を通じ知識の習得、キャリアを積んでいく。
2019年5月にネット集客に特化したサッシ・ガラス屋ビジネスを創業。ネット集客ができる強みを生かし、集客から施工まで一貫して自社完結できるビジネスを成立させる。この事により、お客様へ、お得な料金、安心した修理リフォームサービスを提供できる仕組みを構築した。
より一層の顧客満足・従業員満足・社会貢献を目指し、トライ&エラーの毎日を奮闘中。

